事例

横河電機株式会社
「対話を促したい」、企業の社会的使命をグローバルに訴求

グローバル
【開始日】2020年08月31日 Nikkei Asia ( 9/30 Nikkei Asian Reviewより名称変更)
「対話を促したい」、企業の社会的使命をグローバルに訴求

横河電機がNIKKEI Asia(当時Nikkei Asian Review)8月号に掲載した広告は、様々な人種の顔が並ぶ中央に「What’s next for our planet?」という問いかけが浮かび上がるメッセージ性の強いビジュアルだ。環境や社会の持続可能性が求められる時代、地球を未来へつないでいくため企業として何をすべきか。マーケティング本部コミュニケーション統括センター長の瀬戸口修氏は「課題意識を問いかけることで社内外に『自分たちの社会的使命、存在意義は何か』という対話を促したかった」と狙いを語る。

横河電機は海外売上高が全体のおよそ7割と、事業のグローバル展開が早くから進んでいる。ただ、主力の石油・ガスの分野でもリモートオペレーションの需要が増加するなど、事業そのものの軸足がデジタルシフトしていく中で、ここ数年、協業・競合企業の顔ぶれが増えてきた。そうしたことを背景に本社主導によるグローバルコミュニケーションに本格的に力を入れ始めたのは創業100周年を迎えた2015年前後のこと。それまでどちらかと言えば海外の各拠点が立案していた広告戦略を本社で管理し、より大きな視点でマーケティング戦略を考える体制へと転換した。

今回のキーメッセージである「What’s next for our planet?」はもともと国内で展開していたリクルート広告「地球の物語の、つづきを話そう。」がベースとなっている。当時、BtoB企業が強いメッセージを打ち出したことに、社内外から想定以上の好反響があったという。今回のグローバル広告は英語デザインに合わせてビジュアルを刷新。コロナ禍という不安定な世界情勢も背景となって、企業の役割を問いかけるメッセージ性がさらに強まった。

アジア地域は横河電機にとって海外でも特に大きな市場だ。瀬戸口氏は掲載媒体にNIKKEI Asiaを選んだ理由を「アジアに注目するビジネスパーソンに確実に届く安心感があったから」と説明する。デジタル広告全盛のなか、あえてプリント版に掲載したのにも理由がある。「紙媒体ならではの一覧性もあり、最も伝えたかったメッセージの伝達に、クリエイティブの力を存分に発揮できた」と振り返る。今後もデジタルと紙の両面からより効果的なマーケティングコミュニケーションを目指す考えだ。