事例

青森県
アナログの魅力、デジタルで拡散

新聞
【掲載日】2021年03月17日 【媒体】日経朝刊、NIKKEIプラス1 【段数】全15段
アナログの魅力、デジタルで拡散
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  • 観光国際戦略局 誘客交流課 国際誘客グループ 主査 藤島 穣 氏

今すぐは難しいけれど、いつかは観光に来てほしい――。コロナ禍で不要不急の移動自粛が求められる中、青森県は旅先としての県の魅力を訴求する観光ブランディングに挑んだ。

直接的なPR表現を避けながら印象的な広告にするため、モチーフに実物サイズの土偶を選んだ。一説によると、縄文人は土偶を身代わりと考え、心配な箇所をもぎ取って病や傷の平癒を祈ったという。「#縄文式ビリビリ健康法」のコピーと紙面を土偶に見立てた健康メッセージを前面に押し出しながら、さりげなく世界文化遺産登録まであと一歩となった「北海道・北東北の縄文遺跡群」が青森県に広がることを紹介した。

見開きではなく紙面の表裏を使う手法は斬新だ。破りやすいレイアウトは縄文人の祈りを追体験してもらう狙いがあり、読者をクリエイティブへの参加と紙面接触時間の延長にいざなった。

「共感」や「体験」を巧みに誘った結果、SNSによる盛り上がりもみられた。「土偶のサイズ感を伝え、破ったり保存したりしてもらうには新聞が適していた」(県誘客交流課主査の藤島穣氏)。それでいて広告はアナログ媒体の枠から飛び出し、「デジタル上で2次拡散させたい」(同)との意図も実現した。

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日本経済新聞に掲載された広告の中から注目された紙面を紹介。反響や制作側の思い、表現の工夫などからその訴求力の源を考えます。