事例

旭酒造
硬質なレイアウト やまれぬ思い

新聞
【掲載日】2021年05月24日 【媒体】日経朝刊 【段数】全15段
硬質なレイアウト やまれぬ思い
  • 代表取締役社長 桜井 一宏 氏

「飲食店」「守る」「日本の『いのち』」……。メインコピーから目に飛び込んでくる言葉。明朝の硬質な字体には、やむにやまれぬ思いの発信を決めた広告主の決意がにじみ、写真やイラストを極力排した紙面のレイアウトとも相まって、強い主張を伝えてくる。

新型コロナウイルスとの戦いが続く中、東京・大阪などで緊急事態宣言が再延長された直後の5月24日。日本酒「獺祭」で知られる旭酒造が「経済を回すことで救われるいのちにも向き合って」(桜井一宏社長)と全国に呼び掛けるため、日本経済新聞を選んで朝刊に掲載した意見広告は大きな反響を呼んだ。

「経済 vs 医療」の構図で受け止められないか。掲載前はそんな不安もあったというが、杞憂(きゆう)だった。日本経済新聞紙面ビューアー視認率は飲食店経営者に限らず幅広い年代性別で7割程度に達し、記事文章まで読んだとみられる長時間の滞在率も高水準を記録。ツイッターでこの広告がユーザーに表示されたインプレッション数は1カ月間で約1600万件に上り「消費者にも自分ごと」「未来を考えるきっかけになる」など賛同の投稿も相次いだ。「飲食店を犠牲者にせず、感染対策と雇用・経済再生との両立を」。その思いは、恐らく真っ直ぐに読者へ届いた。

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日本経済新聞に掲載された広告の中から注目された紙面を紹介。反響や制作側の思い、表現の工夫などからその訴求力の源を考えます。