- 製品部 食品課課長 伊藤 征樹 氏
食欲をそそる、ほぼ原寸大のカレーライス。ページをめくれば、完食した皿の底から商品のシンボルマークが目に飛び込み、どこか懐かしい記憶を呼び起こす。大塚食品は2月12日付日本経済新聞朝刊で2ページにわたる「ボンカレー」のブランディング広告を掲載した。
共働きや個食の広がり、コロナ下の在宅時間増などでレトルトカレー市場は好調だ。だが調理の手抜きと感じる罪悪感はどう解消するか。消費者の関心をどう引き付け続けるかという「ロングセラーゆえの課題感」(伊藤氏)からも構成を練った。
1ページ目は半分を割いてカレーのシズル感を生き生きと見せ、世界初の市販用レトルト食品が他社商品に先んじて進化を続け「がんばります」と心意気を表明。2ページ目はおなじみの黄と赤の明るい三重丸とともに、独自製法や原材料のこだわりを紹介。「がんばらない」調理でも大丈夫だと呼びかけた。
発信に社会性、信頼性を持たせ、得意先への訴求も狙おうと掲載紙に日経を選択。紙面連動のSNS(交流サイト)投稿やプレゼント企画も奏功し「ブランド価値で生活者に寄り添い、困りごとを解決したい」(同氏)という思いは広く届いたようだ。
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