クリエーティブ賞 ヤナセ
輸入車販売の草分けとして創業100年以上の歴史を持つヤナセ。コーポレートスローガンである「クルマはつくらない。クルマのある人生をつくっている。」の訴求のため、Web施策としては初めて日経電子版での広告キャンペーンを実施した。ビルボードという電子版のトップページ上部で配信される動画広告が評価され、16年度の日経電子版広告賞 クリエーティブ賞を受賞した。今回のWeb動画広告の狙いについて、執行役員 総務部 部長 広報宣伝室 室長の松本 芳雄氏に聞いた。
ターゲットを取り巻く環境変化に鑑み、企業広告では初となるWebキャンペーンを実施
-- まず、今回の企画に至る経緯や背景を聞かせてください。
これまで企業広告はテレビ、新聞、ラジオ、雑誌などのマスメディアを中心に出稿してきました。今回はターゲットを取り巻く環境の変化に伴い、Web施策では初の取り組みとしてビジネスパーソン、特にエグゼクティブ層の多い日経電子版を広告媒体として活用することにしました。
また、本作品「ミラー篇」は動画の斬新さやインパクトを最優先して制作することで、Web上でも興味をもって視聴いただけるのではないかと考えました。
愛車を大切に想う心に寄り添う企業姿勢を表現したかった
-- 動画を用いた広告ということで、キャンペーンでどんなことを伝え、日経電子版にはどんな役割を期待しましたか?
当社のコーポレートスローガン「クルマはつくらない。クルマのある人生をつくっている。」は、お客様が愛車を大切にする想いに寄り添い、豊かなカーライフをサポートする企業姿勢を表しています。
今回のコミュニケーション施策では、“クルマのある人生”をミラーエフェクトの技法で表現しています。鏡に映したように上下が対称となった構造物が青空を背景に幻想的に浮かび上がってくる様子と、その先から差し込む陽射しに向かって、漂うように進む一台のクラシックカーを表現しました。
動画をよくご覧いただくとお分かりになるかもしれませんが、実はこのクラシックカーに付いているナンバープレートは実際のものです。1956年式のメルセデス・ベンツ180という60年以上前につくられたクルマですが、今も現役で走っています。私たちとお客様とのお付き合いも、そのように長いものであることが象徴されています。
日経電子版に期待したことは、コミュニケーション展開におけるテレビやシネアドとの相互作用と、Web上のユーザーに対するリーチの拡がりの2点です。
イメージ通りの「空」を撮るために日の出のタイミングを狙った
-- クリエーティブにおいて留意された点、苦労した点はどんなことですか?
留意したのは「空」です。クラシックカーで気持ち良くドライブしているイメージの風景を撮るために、日の出のタイミングを狙いました。暗い時間帯から入念にテスト撮影を繰り返し、限られたチャンスの中で狙い通りの画を撮ることができました。
再生率、視聴完了率ともに高く、反響には満足
-- 掲載後の効果や反響についてはいかがでしょう。
動画再生率が約8割、最後まで視聴してくれたユーザーが約5割とのリポート結果から、予想以上の高スコアに正直驚いています。Webの動画広告は最初の5秒で再生視聴してもらえるか否かが決まるといわれていますが、その点では多くの日経電子版ユーザーに当社の企業メッセージがしっかりと届いたのではないかと思います。
クロスメディア戦略として今後も動画を効果的に活用していく
-- 今後の展開についてお聞かせください。
今後は新たな企業広告を展開するにあたり、クロスメディア戦略としてWebの動画広告も取り入れ、これまで以上に効果的な企業メッセージの発信を検討していきたいと思います。
- 企画 : 電通
- 制作 : TCJ
- CD : 坂井二郎 (電通)
- AD : 田中 要 (電通)
- C : 川名宏昌 (電通)
- チーフPr : 桐生和良 (TCJ)、清野晶子 (プレスユー)
- Pr : 熊田和秀 (TCJ)
- PM : 小泉和平 (TCJ)
- Dr : 箱守惠輔
肩書・役職名はインタビュー当時のもの