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仕事のときは何を着る? 日経読者調査が商品開発のヒントにも

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【開始日】2020年06月19日 第11回日経電子版広告賞受賞インタビュー 大賞(タイアップ広告)
仕事のときは何を着る? 日経読者調査が商品開発のヒントにも

 2020年の日経電子版広告賞大賞を受賞したユニクロのタイアップは、日経読者が仕事の場でユニクロをどう着こなしているのかを調査し、見える化した、ユニークな手法と視点が評価された。ビジネスウエアに力を入れるユニクロが、アップデートした商品づくりを顧客層にきちんと伝えたい、と考えたのが企画の出発点。折しも調査の設計に着手したのは新型コロナウイルスが猛威をふるい始めた時期だった。以降、テレワークが広がり、仕事の装いが転換期を迎え、ユニクロが目指す「きちんとカジュアル」への読者の関心は高まる一方だ。ユニクロマーケティング部統轄部長の松沼礼氏(左)と同部PRチームの中山雄太氏に、読者の興味と共感を呼ぶタイアップについての考えを聞いた。

仕事服としての「ユニクロ」、日経読者が着てこそ説得性

――コロナ以前から服装のカジュアル化がすすみ、ユニクロのアイテムがビジネスの場で着られる機会が着実に増えています。それでもなお、今回のタイアップを思い立たれたのはどんな理由からでしょうか。

松沼氏: スーツで仕事へ向かう方はいらっしゃいますが、世の中の潮流も、消費者の志向もどんどんカジュアル化しています。そうしたなかで、ユニクロには「感動パンツ」や「感動ジャケット」のように、ビジネスでも通用するし、カジュアルスタイルや日常着としても使える商品がありながら、その存在を伝えるべきお客さまに伝えきれていないのではないか、という思いがありました。「ユニクロを着て仕事に行っています」という声も多く頂戴してはいます。でも一体どれくらいのお客さまがそう思っているのか、実際の数値も含めて結果を見てみたい、との思いもありました。それでアプローチの手法も含めてご相談しました。

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ユニクロ マーケティング部統轄部長 松沼礼氏

――最初の打ち合わせが2020年1月でした。協議を進めるうちに、日経読者の着用実態を探るという手法が浮上しました。その時点ではどんな期待をお持ちでしたか。

松沼氏: 「仕事服はユニクロだよね」ということに対するお墨付きといいますか、「日経電子版の読者に聞きました」という一言が入るだけで、信ぴょう性、説得性、共感、信頼が増すだろうと考えました。社会人の多くが日経ブランドを冠したさまざまなメディアに触れて仕事をしています。他の媒体と比べても、知識や洞察の深さも含めて、普段日経新聞を読んでいる人がユニクロを着ている、というファクトが一番、自分たちの思いが伝わりやすい。そして、タイアップの効果として記事の発信効果も期待しました。

ファクトデータの使い方巧み 商品開発のヒントにも

――日経読者の8割がユニクロを仕事の場で着ているという結果は、予想を超える高い着用比率でした。

松沼氏: それなりに高い数字が出てくれるのでは、と期待しつつ、自分の通信簿を見るような感覚で、ちょっと怖くもありました。8割にはびっくり。ただ、確固たる自信はありませんでしたが、それに近いものがなかったら調査のお願いもしていないと思います。ビジネスパーソンに支持されているという自信が、日経読者調査で、確信めいたものに変わりました。

中山氏: 設問はかなり慎重に内容を検討したのですが、この「ビジネスシーンでユニクロを着ていますか」という設問だけは、ド直球の質問でしたよね(笑い)。果たして高い数字が出るかなと気になりながらも、実際8割という結果が出て、そんなに高く!とうれしかったです。今回の記事のポイントと考えていたところに想定以上の結果が出たので、良いものが出来るのではと期待が高まりました。

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ユニクロ マーケティング部 PRチーム 中山雄太氏

――タイアップ記事では調査結果や、ユニクロのどんなアイテムのどこが好きかという回答内容のビジュアルも、新聞記事風に仕立てました。

松沼氏: 編集の仕方、メッセージの立たせ方、ファクトデータの伝え方が巧みですよね。ぱっと見て「なるほど」という感じがあり、スッと本題に引き込んでいく。生きた調査結果の使い方がうまいと思いました。なかなか、こうはいきません。また、実際にユニクロを愛用してくださっている読者の声が、分かりやすく落とし込まれています。詳細な調査結果はデザイナーも目を通しています。マーケティングや商品開発の側面でもとても参考になります。

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中山氏: 撮影に使うコーディネートを考えるにあたって、日経読者をターゲットにするという点で、「やっぱりビジネスマンはくるぶしが出ちゃだめ」といった点など、ビジネスシーンでのリアルな着方の示唆をピンポイントでいただいたので、読者がすぐ取り入れられるスタイルを提案できたと思います。

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「日経らしい個性が出なければ、タイアップを組む意味がない」

――制作をすすめていく時期が新型コロナウイルスの感染拡大と重なったのは、予期せぬ事態でしたが、タイトルに「ニューノーマルの仕事服」と打ったことも読者を引きつけたようです。

松沼氏: ユニクロのスマートパンツもそうですが、家でも会社でも心地よく快適、楽ちんだけどモニター越しにきちんと見える服、というポイントを伝えたのが刺さりました。コロナ禍においてオンオフが接近し、働き方がシームレスな時代になって、仕事服も同様にシームレスなっていく気がします。

――タイアップは媒体の個性を出せるものですが、日経の個性をどこまで出したらいいのか迷いもありました。

松沼氏: 個性が出なかったらタイアップを組む意味はないのです。今回は100%以上の個性を出していただいたといいますか、日経さんならでは、というところがありました。特に、調査結果をどう伝えるかというところに如実に表れていて、タイアップをさせていただいてよかったなと思っています。

「インフルエンサーのように、タイアップもより読者に近づく媒体に」

――今後、タイアップはどう変化していくとお考えですか。

松沼氏: 広告というのは我々からのメッセージを直球で伝えていくメディアです。ただ、いまはYouTube、Instagram、インフルエンサーのような、第三者発信が当たり前。若い方々は等身大のインスタグラマーを見て、その人とか物を好きになる。タイアップももっと読者に近づき、読み手とか受け取り手の興味、関心、共感に一番近い媒体として、同じ目線で語られていく内容が求められていくのではないでしょうか。日経電子版の読者は世の中の課題に対する意識が高い方だと思いますので、商品だけではなく、サステナビリティーのように、うまく伝え切れていない企業活動などを、今回のコンテンツのように共感性を持って伝えられるといいなと思います。

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  • 企画:ユニクロ、日本経済新聞社 デジタル事業 Nブランドスタジオ、メディアビジネス クロスメディアユニット
  • 制作:日本経済新聞社 デジタル事業 Nブランドスタジオ、メディアビジネス クロスメディアユニット
  • 調査設計・実施:菅野裕美、遠藤雅子(日経リサーチ)
  • CD:日本経済新聞社 デジタル事業 Nブランドスタジオ
  • AD: 長谷川純也(飴李花)、浮貝泰介(フォトデザインスタジオ)
  • D: 浮貝泰介
  • C:松本和佳(日本経済新聞社 デジタル事業 Nブランドスタジオ)
  • Ph:長山一樹(S-14)
  • Sty:壽村太一
  • HM:和田 良(S-14)
  • モデル:萩原真一

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