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難解なテーマをビジュアル図解 「量子コンピューター」を読者にわかりやすく伝える

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【開始日】2021年09月21日 第12回日経電子版広告賞受賞インタビュー タイアップ部門最優秀賞  
難解なテーマをビジュアル図解 「量子コンピューター」を読者にわかりやすく伝える

IT業界に精通していなくても一度は耳にしたことがある「量子コンピューター」。それはこれからのビジネスにどのように活用され、私たちの生活に何をもたらしてくれるのか。2021年7月、日本初・アジア初となるゲート型商用量子コンピューター「IBM Quantum System One」の稼働開始に伴い、日本IBMはタイアップ記事を3本同時に公開。多くの読者の関心を集め、日経電子版広告賞タイアップ部門で最優秀賞を受賞した。タイアップを制作した背景や訴求ポイントについて、日本IBMマーケティングブランド推進・宣伝部長の植田久美さんに話を聞いた。

IBMの量子コンピューティングへの取り組みを広く伝えたい

――「量子コンピューター」という難しいテーマを、ビジュアルを使って読者に伝わりやすく表現されたのが印象的でした。今回、タイアップ制作に至った理由についてお聞かせください。

 2021年7月27日に神奈川県川崎市で、ゲート型商用量子コンピューター「IBM Quantum System One(以下、System One)」の稼働を開始しました。これは米国国外ではドイツに次いで2カ国目のことです。そういった意味でも弊社としても量子コンピューティング分野における日本の重要性は高いと考えておりますし、量子コンピューターが遠い未来のテクノロジーではなく、すでに日本には実機があり、稼働していることを日本の多くの方々に認識していただきたいと思ったことが背景にあります。

――タイアップの制作で特に読者に伝えたかったポイントを教えていただけますか。

 System Oneの日本上陸をきっかけに、IBMの量子コンピューティングへの取り組みとその進展を広く伝えることで、弊社の先進性やテクノロジー・リーダーシップを訴求できればということでスタートしました。同時に、量子コンピューティング活用のロードマップを描き、事業適用にともに取り組む現実的なパートナーとしてIBMを認知していただくことを目指しました。
 量子コンピューティングにおける取り組みへの理解にはタイアップ記事を、そして認知獲得のためには、誘導に静止画やテキストのみでなく、動画も活用しました。量子コンピューターと言えば、皆さんはきらびやかなシャンデリアのイメージを想起されると思いますが、その未来感、量子コンピューティングへの期待感を、動画とコピーで視覚的に訴えることで認知獲得を図りました。

一般の人たちにもわかりやすく、興味を持ってもらう内容に

――今回、同時に3本のタイアップ記事を公開されましたが、それぞれの記事の役割について教えてください。

 量子コンピューターはこれからのビジネスの未来を拓く上で重要なテクノロジーです。そしてその活用には研究者のみでなく、将来の量子人材や、事業適用を検討する人たちへの訴求が必要です。そのため読者によって興味の分野がそれぞれ異なることを想定し、3つの異なる切り口でのコンテンツ制作を行いました。1つ目は量子コンピューティング自体への「興味・関心」を生み出すことです。そのために文章量を少なくし、図や写真といったビジュアルを多く使うことで簡潔に解説するよう努めました。2つ目が日本での稼働開始の意義や、産学連携を含めたこれまでの取り組みと今後の展望の紹介です。7月27日にSystem Oneの稼働開始記念式典で行われた内容を中心に記事にし、量子コンピューティングの活用に向けたこれまでの産学連携の取り組みと社会実装に向けた展望について訴求しました。
 3つ目が「ビジネス活用」です。実際に、どのようにビジネスに関わってくるのか、そしてビジネス活用に向けて必要なことを読者に気づいていただくコンテンツを作成しました。

――タイアップ制作でこだわったポイントについて教えてください。

 こだわったポイントは、量子コンピューティングに対する期待値を正しく設定することと、一般の人にもわかりやすく表現することです。前者では読者に期待感を持ってもらうことは大切なのですが、期待を膨らましすぎてもいけません。量子コンピューティングがあれば、どんな課題でも解決できる夢のようなテクノロジーだという書き方はしない。それはプロジェクトがスタートしたときから制作チームと話し合っていました。
 後者ではできるかぎり平易な言葉で伝えるように意識しました。技術に詳しくない方にもわかりやすく、なおかつ興味を持ってもらえるような表現を心がけました。

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テクノロジーや人材教育を通じて日本ビジネスの発展を支援

――今後、日経電子版に期待することを教えてください。

 日本経済新聞は、様々な業界や職種でこれからの社会や経済をけん引するビジネス層への訴求に非常に有効なメディアです。今回、日経電子版を選択したのも、経営や経済に感度の高い読者に効率的かつ効果的にコンテンツを届けることができるということで掲載を決めました。デジタルメディアのおもしろいところは読者と双方向なインタラクティブ性だと思っているので、今後は日経が持つデータとコンテンツを組み合わせることで読者に最適なコンテンツを提供していきたいと考えています。

――最後に読者へのメッセージをお願いします。

 量子コンピューティングの社会実装は遠い未来の話ではなく、すぐそこまできています。活用に向けて日本でもすでに様々な取り組みが始まっています。例えば、量子人材育成に向けた取り組みの一環として、全世界を対象に弊社が開催している量子コンピューティングのプログラミングコンテスト「IBM Quantum Challenge」では、2021年度のトップ10に日本の方が4人も入賞しています。日本のお客様、パートナー様との取り組みに加えて、こうした人材育成や最新テクノロジーの提供を通じて、日本ビジネス発展の一助になれれば幸いです。

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企画 日本アイ・ビー・エム、日本経済新聞社デジタル事業Nブランドスタジオ
制作 日本経済新聞社デジタル事業Nブランドスタジオ、日経BPコンサルティング
CD 里見渉(日経BPコンサルティング)
AD 深野美絵(日経BPコンサルティング)
D 栗原歩美(日経BPコンサルティング)
コーディング マイナビワークス

肩書・役職名はインタビュー当時のものです。