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技術をもっと身近にわかりやすく ビジュアルとデータで「ナノイー」を解説

デジタル
【開始日】2021年09月30日 第12回日経電子版広告賞受賞インタビュー 大賞(タイアップ広告)  
技術をもっと身近にわかりやすく ビジュアルとデータで「ナノイー」を解説

企業には長年にわたり地道な研究を続けてきた秀でた技術が多くある。しかし、その多くは説明が難しく、特に法人向け分野での優れた活用事例はあまり知られないことが多いだろう。パナソニックも同様の悩みを抱えていた。お題は「ナノイー」。美容のイメージが先行したこの技術は、実はBtoB分野で空気清浄技術として多く採用されている。ナノイーの研究開発と技術の力をもっと訴求するために、パナソニックは日経電子版のビジュアルタイアップで広告施策を展開した。その狙いを、パナソニックで企業宣伝を担当している石川隆一氏に聞いた。

「ナノイー」で「空調・空質のパナソニック」作りたい

――「ナノイー」の名前はよく知られていますが、美容のイメージでした。

 それこそが、「ナノイー」に関する私たちの悩みでした。「ナノイー」はドライヤーなどのヒットで美容分野ではよく知られている技術ですが、実は空間のにおいや菌・ウイルス、花粉、カビなどの働きを弱め、「空気を清潔にする」効果があります。しかし、残念ながら空気清浄の技術としての認知は高くありませんでした。
 おりしも、新型コロナウイルスの感染拡大で、空気の清潔さに関心が集まりました。「ナノイー」の認知向上と清潔イメージを醸成することで、「空調・空質=パナソニック」というイメージを構築したいと考え、社内の部署横断のプロジェクトを組み、施策をスタートさせました。

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――日経電子版ではビジュアルタイアップと事例紹介タイアップの連載で展開しました。その狙いは?

 「ナノイー」は見えないしニオイもなく、メカニズムを理解するのは容易ではありません。オウンドサイトでも、「ナノイー」の技術解説は展開していますが、もっとわかりやすく、届けたい相手に訴求したい。なんとか、文字をつらつら書くのではなく、パッと目に飛び込む「図鑑」のように伝える手法がないだろうか。そう考えているときに、日経電子版のビジュアルタイアップを知りました。
 私もマーケティング担当が長いので、通常のタイアップは多く手掛けてきましたが、文字表現が中心の通常タイアップでは「ナノイー」のような難しいメカニズムを説明しても伝わらないだろうと考えていました。一方、ビジュアルタイアップは全く違う手法です。これなら「図鑑」のように目にぱっと飛び込んでくるようなわかりやすい表現ができそうだと思いました。
 ただ、ビジュアルタイアップだけだと単なる技術の発信で終わってしまいます。そこで、その技術がどのように使われているかの事例紹介を通常のタイアップ形式で数本展開し、ビジュアル記事と連動させることにしました。相互にリンクさせてシリーズ展開にすれば、技術がどう使われているかをセットで発信できます。日経電子版の読者層はビジネスパーソンであり、意思決定層の比率も高いと聞いています。ですから、技術をわかってもらうと同時に導入例も示すことで、「ナノイー」のブランディングと技術の採用の両方に結びつけられるのではないかと考えました。

「図鑑」のようにわかるビジュアル

――ビジュアルタイアップの制作で苦労した点は何でしたか。

 ナノイー搭載機器を生産する滋賀県彦根市の工場で、最初の取材を実施。ここで技術に関する理解を深めるところから日経電子版の制作が始まりました。
 ビジュアルタイアップは全6パートに分けた構成で提案をもらいました。デザイン案の段階でイメージに沿った内容をいただけたと思います。特に、パート1は日常生活の中で空気の清潔さはどう脅かされていて、「ナノイー」がどう役立つのかをイラストで表現しました。そこから技術の説明に入っていく流れで、わかりやすくインパクトもある構成になったと感じています。

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 もう一つ腐心したのは、実は医薬品医療機器法(薬機法)に抵触しない表現にするための社内での確認でした。社内でプロジェクトチームを作った当初から、社内の法務担当とは綿密に相談をしながら進めており、ビジュアルタイアップも制作の過程で表現の是非は法務担当に一つずつ確認してもらいました。

――事例紹介のタイアップも順次公開していますね。

 ビジュアルタイアップの制作と並行する形で、異なる業種での「ナノイー」採用事例を紹介するタイアップ制作も進めました。スーパーマーケット、飲食店、鉄道などの事例を取材、タイアップとして公開しています。ビジュアルタイアップで技術を理解できたところで、実際の活用事例も見られるようになっているのが良かったという感想ももらっており、狙いは間違っていなかったなと思いました。

ウェブならではの表現方法に期待したい

――今後、日経電子版の広告商品に期待することは何でしょうか。

 やはり、ウェブならではという表現方法をどんどん提案いただきたいと考えています。新聞から電子版に転載するような時代は終わりました。テレビや新聞(紙面)の広告が認知を広げる役割があるとしたら、ウェブ広告はよりわかりやすく理解を深める機能を担えるのではないでしょうか。電子版の広告は、文字中心の表現手法はこれから減っていくでしょう。動画やアニメーション、イラスト、図解をどう見せ、訴求するか。日経電子版の読者層に訴える表現手法の新たな展開を、期待したいと思っています。


企画:パナソニック、日本経済社、日本経済新聞社デジタル事業 N ブランドスタジオ
制作:日本経済新聞社デジタル事業 N ブランドスタジオ、ノーバジェット
EPr:石川隆一(パナソニック)、北村 篤 (日本経済社)
CD:日本経済新聞社デジタル事業 N ブランドスタジオ、松浦義幹(ノーバジェット)
AD:日本経済新聞社デジタル事業 N ブランドスタジオ、谷 和也(ノーバジェット)
D:日本経済新聞社デジタル事業 N ブランドスタジオ、岩村 覚(ノーバジェット)
C:藤原仁美(日本経済新聞社デジタル事業 N ブランドスタジオ)、富樫純一(ノーバジェット)
CPr:藤原仁美
Ph:宮腰まみこ(ノーバジェット)、横関一浩(ノーバジェット)

肩書・役職名はインタビュー当時のものです。