*公開時期:2022年8月
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ロゴ画像 感動のセレモニーで
「命へのありがとう」をつなぐ

ティア・冨安徳久社長

メイン画像 メイン画像 提供:ティア

葬儀を手掛けるティアが急成長を続けています。18歳で葬儀業界に出会った創業者の冨安徳久社長が「哀悼のセレモニーにとどまらず、感動する葬儀を届けたい」との思いで1997年7月に独立・創業してから25年。わかりやすい価格体系など、過去の慣習にとらわれない様々なサービスを打ち出すことで、支持を集め、サービス業を志望する学生が就職先として選ぶケースも増えています。創業時に掲げたスローガン「日本で一番『ありがとう』と言われる葬儀社」を令和の時代にもつなげる冨安社長と若手社員が葬儀業界の果たすべき役割や未来図について語りました。

18歳で出会う生涯の仕事
サービス業精神で業界改革

――18歳で生涯取り組む仕事と出会いました。

愛知県の出身ですが、山口県の大学に進学が決まり、移り住んで入学前のアルバイトとして葬儀の仕事に巡り合いました。そこで出会った社員の方が「ここまでやるか」というくらいご遺族に寄り添い、涙ながらに「ありがとう」と感謝をされる光景を目の当たりにしました。

葬儀という仕事はこんなに感謝をされ、自分のことを認めてくれる仕事なんだ、そして、間違いなく役に立っていると感じたことが、人生を変える出会いになったと思います。その光景から、大学進学を取りやめ、正式な社員として入社し、葬儀業を一生の仕事にしようと決めました。

子供のころから両親や祖母から「自立しなさい」「人のために生きなさい」と教えられて育ったことも大きかったと思います。そんな土台があったからこそ、これだという仕事を見つけたら迷うことなく行動することができました。

――愛知県に戻ってからも葬儀社に入りました。

家族の事情で愛知県に戻ると決めたときに、最初の会社の社長が紹介状を書いてくれました。その後、別の会社に移り、18年間のサラリーマン生活で3つの葬儀社を経験したことになります。業界の良い面も、疑問に思う部分も学ぶことができ、ちょうど30歳の時に、疑問に感じた点を改革し自らの理想を貫くには起業するしかないと心に決めました。

サラリーマン生活の最後の3年間は営業の仕事をする傍ら、会社を興す準備も進めました。異業種交流会などに参加して事業計画書のつくり方や会社の興し方を勉強し、資金集めにも奔走しました。

――97年の設立当初から「哀悼と感動のセレモニー」を経営理念として掲げています。

経営理念の冒頭にとにかく感動という言葉を入れたいと思いました。哀悼のセレモニーは葬儀社であれば提供できることです。何が感動をもたらすかというと、故人様のこれまでを思い出せる場面を作り、悔いの無いように最期の時間を故人様と共に過ごしてもらうことです。これが、最期に感動に変わりますし、ご遺族の悲しみを和らげることにつながります。

私たちの仕事はあくまでもサービス業です。悲しんでいるご遺族に徹底的に尽くすという気持ちで臨んできたことによって、今日のティアがあると思っています。

冨安徳久社長 「葬儀社は終活にかかわるサービスを提供する社会インフラになると思います」(冨安社長)

会社説明会で働く意義を
直接伝える
終活にかかわる
社会インフラを目指す

――06年に名証セントレックスに上場、14年に東証一部、名証一部に上場しました。今ではサービス業を志望する学生が葬儀業を就職先の一つとして考えるようになりました。

上場にこだわったのは世間的に誇れるようなわかりやすい旗印がないと新卒の方に会社説明会にも来てもらえないと考えたからです。私自身、自分が死と向き合うこの仕事に出会って人間的に成長できたと感じています。成長する場面に多く向き合えるこの仕事をたくさんの若い人にも知ってもらいたいとの思いが上場にこだわった理由の一つです。

毎年、新卒を積極的に採用していますが、会社説明会では必ず私も参加して、この仕事の素晴らしさを直接伝えるようにしています。

――これからの葬儀業界をどう考えていますか。

これまでの25年間は消費者の立場に立った業界改革に取り組んできましたが、終活にかかわるサービスを提供する社会インフラというのがこれからの葬儀社のあり方だと考えています。最期を過ごす場所・サービスを提供する事から、その後の相続や空き家対策など、ニーズに合わせて総合的に相談に乗るというのが葬儀社の役割になると思います。また、葬儀会館には駐車場やホールがあるため、災害発生時の避難所としての役割を果たすこともできます。

故人様を対面で送り、死を五感で感じることは、命が引き継がれていく中でとても重要で、令和の時代になっても絶対に変えてはいけないと思います。一方、SDGs(持続可能な開発目標)に関わることなど、新しい時代に合わせて変わるべきところは変える必要もあります。

残すべきことと変えていくべきこと、この両輪をバランスよく、しかもスピード感をもって進めていく。10年先、20年先の葬儀業界のあり方をティアが形にして、推し進めていかないと、業界を牽引することはできないと思っています。そのためにも新卒で入ってきた若手社員たちの感性が重要で、彼らがこれからの時代を考えていくべきです。

ただ、売上至上主義になっては困ります。感謝と「ありがとう」を頂いた先に売上や利益があるという点だけは間違えたくないので、「日本で一番『ありがとう』と言われる葬儀社」を生涯スローガンと位置付けて社内に浸透するようにしています。

――22年9月期をSDGs元年と位置付けました。

ティアの根幹をたどるとSDGsに関わることが多くあります。例えば、創業時から生活保護受給者の葬儀も取扱い、全ての人に尊厳のある弔いを提供する事はまさにSDGsの17の目標と重なる部分だと考えています。25周年を機に、こうした取り組みを内外に発信するため、SDGsを担う部署を立ち上げました。学生の約7割は企業のSDGsへの関与を重要視するというアンケート結果もあり、SDGs達成に向け取り組んでいる活動を発信する事は重要です。現在の取り組みを社内外に発信しつつ新たな施策を推進するには専属の部署が必要だと考えました。

――経営者としての顔のほか、「命の授業」という生徒向けの講演活動にも積極的に取り組んでいます。

私のライフワークとして14年から始め、全国の小・中学校、高校を訪問しています。講演で伝えたい内容の根底にあるのは感謝です。ご先祖がその時代を一生懸命に生き、命をつないでくれたからこそ、自分が存在しているという事を伝えています。長年、私が葬儀に携わった経験を通じて、子どもたちに命の尊さを伝えることは価値があると考えています。

人の役に立つ、必要な仕事
後悔のないお別れ 支え続ける

野中萌生さん

野中 萌生さん(のなか・ほうせい) 東海第一事業部・ティア味美・セレモニーディレクター・入社2年目
人のために働ける、人の役に立つ仕事と考え、入社しました。入社するまでは「感謝」や「ありがとう」について、深く考えることはありませんでした。この仕事に携わるようになって、心からのありがとう、唯一無二のありがとうは、お客様に真摯に向き合って対応しないと頂けないものということに気づかされました。
コロナ禍が収まっても葬儀に対する考え方は変わり続けると思います。葬儀の形がどう変わろうとも、残されたご家族や友人が、故人様に対して感謝やありがとうの言葉をきちんと伝えられて、後悔のないお別れをしてもらうためのお手伝いを全力でできればいいと考えています。

牧野未歩さん

牧野 未歩さん(まきの・みほ) 東海第二事業部・ティア岡崎北・セレモニーディレクター・入社2年目
人の死がいつ訪れるかわからないという不安が社会に広がる中、全ての人がいずれは関わる葬儀という仕事に興味を持ちました。入社して実際に葬儀の仕事に従事すると、死を通した人との別れは悲しく寂しいものであると同時に、葬儀を通じて最期のお別れを後悔のないようにみんなで送り出してあげることができる温かい場所だとも感じました。
コロナ禍で一般葬に代わって家族葬が増えたり、会食が減ったりということがあり、これからも社会の情勢によって葬儀業界もいろいろ変わっていくと思います。どういう状況にあってもご遺族の思いをくみ取り、後悔のないお別れができるようにしていくことが大切だと思っています。

※セレモニーディレクター
通夜・葬儀の責任者として、ご遺族との打ち合わせ、関係各所への発注、式場の設営から儀式の進行、ご自宅の祭壇の設営等、葬儀にまつわる一連の事柄を責任を持って取り仕切り、ご遺族をサポートします。

集合写真

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