【お話をお伺いした方】
神山 里毅様(経営企画本部 ブランディング戦略担当 担当部長)
――オカムラは、6月1日にリブランディング実施を発表しました。この点を交え、今回の広告出稿背景を教えてください。
オカムラは「オフィス家具」で広く知られていますが、実際には、教育・医療・研究施設・商業施設、物流センターなど様々な領域で仕事をしています。予測が難しく、大きな変化が続く世の中でも事業を柔軟に変化させ、どの事業領域・市場でも認識される唯一無二のブランドイメージを確立すべく、新たな施策に取り組んでいます。
その一つが、「HUMAN-ORIENTED COMPANY(ヒューマン オリエンテッド カンパニー|人を起点に考える企業)」というメッセージの発信です。これは、2035年に向けて目指す姿として、常に「人を想うこと」を出発点とし、「場づくり」という事業を通して、全ての人が活き活きと働き暮らす社会の実現を目指す、というものです。リブランディング発表の翌日のタイミングで、多くの方の目に届くよう、今回の掲載を進めていました。
――若年層の企業認知の低さも大きな要因と聞いています。
実は、2020年頃から企業認知度調査を定期的に実施していたのですが、若年層の企業認知度が他の層と比較して低いことが分かりました。自社の経営層にもこの事実を伝え、徐々に「5~10年先を考えるなら、次代を担う若年層に私たちのことを知ってもらう必要がある」との認識が共有されていきました。
――リブランディングの推進体制についてお聞かせください。
ブランディング施策は2020年頃から着手していました。まずはインナーブランディングから始め、自社で大事にすべき理念の整理を進めていたんです。社員である私たち一人ひとりがそれらをきちんと理解してからでないと、社外発信しても社内に乖離が生まれてしまいますから……。丁寧に社内での対話を進め、対外的な施策に本格着手したのが2024年頃です。昨年からは経営企画本部の直下に「ブランディング戦略担当」が新設され、私がその役割を担っています。経営企画とコーポレートコミュニケーションを共に意識できる位置から、ブランディングの戦略立案と統括を行っています。また、コーポレートブランディングは経営層も率先して推進しています。
――新しいコーポレートシンボルはデザインが印象的です。
実は検討に1年ほどかかっています。数えきれないほどのデザイン案をつくりましたが、本当に最後までなかなか決まらなかった。そんな中、ブレイクスルーがありました。映像で見せる「モーションロゴ」を確認していたときのことです。動かす途中で、キューブの一部が「人」という形に見える瞬間があったんです。その瞬間、「あ、これは!」と。社長も同席する場で議論していた中での発見でした。
――ある意味、“偶然の産物”でもあるわけですね。
そうですね。ただ常に「人を起点に考える」という想いを経営層とも共有していたので、その後はスムーズに進みました。考え方の土台となっている理念「オカムラウェイ」は、従業員を巻き込んでボトムアップで創り上げてきたもので、その土台の上にこのシンボルがある、という構造になっていますので、社内でも好評です。
――撮影で工夫された点はありますか。
今回は、多様性を表現したかったので、多くの人物が、それぞれが違う方向を向いたり、異なる動作をしたりするカットを採用しています。写真も、人が集う場の臨場感を切り取ったような表現を意識しました。
――キービジュアルに登場しているのはどのような方々ですか。
実はほとんどがオカムラの社員です。ブランディングのターゲットが若年層ということもあり、社内でもこれからを担う世代に出演を依頼しました。オカムラという会社に前向きな気持ちを持っていて、変化を楽しみながら参加してくれるような人たちでしたね。その意味では、インナーブランディングの成果がここに表れていたのかもしれません。
――日本経済新聞に期待した役割と、掲載後の反響を教えてください。
信頼あるビジネスメディアである点が非常に大きいです。日本経済新聞に広告出稿することは経営的にも「すぐやる」と位置づけられていました。シンボルの発表というまさにその瞬間を大々的に打ち出せるメディアとして選ばせていただきました。大きな反響としては、製品がまったく出てこない広告をバーンと出したことに対して、「変わろうとする意思を感じた」という声をいただいています。もう一つ嬉しかったのは、クリエイティブへの反応です。オカムラはものづくりのデザインにこだわりがありますが、会社全体としてのセンスが注目されることはあまりなかった。今回はかなり力を入れたものを作れたと思っていますし、「おしゃれな広告だ」という声もいただいています。また、ブランディングのターゲットは若年層なのですが、日本経済新聞の読者である親世代にもオカムラという会社の存在を改めて周知できたのではないかと感じています。
――今後の展望についてお聞かせください。
経営戦略とリンクさせたブランディング施策に取り組んでいきます。2035年に向けて目指す姿は決めていますが、中期経営計画は約3年のスパンで進みます。ブランディング施策もまずは足場固めに注力し、私たちの変革の方向性が伝わる状態を目指していきます。
※本記事は編集プロセスの一部で生成AIの技術を活用しています。生成結果はそのまま利用せず、NIKKEIブランドスタジオが確認・加筆・修正したうえで掲載しています。
※取材にお答えいただいた方の所属・肩書などは取材当時のものです。