【お話をお伺いした方】
マーケティング本部 スナック2部 かっぱえびせんチーム 竹中 宏樹様
---周年広告の検討を始めた状況(検討を始めた時期、発案された方など)を教えて下さい。
広告の検討を始めたのは2024年1月末ごろです。24年1月にかっぱえびせん発売開始から60周年を迎えたのですが、周年イヤーのスタートにあわせて、全国のエリア、支店ごとに「盛り上げ隊長」を任命し、周年を盛り上げる施策を実施しました。例えば地元のお祭りやイベントでサンプリングイベントを行ったり、また箱入りの年賀特別パッケージをつくり、取引先への新年あいさつ回りに使ったり、かっぱえびせんの発祥の地である広島ではラッピング電車を走らせたり、など様々な取り組みを行いましたね。 地道なキャンペーンの甲斐もあり、上層部をはじめ社内でも商品の周年について認知が高まり、広告を出稿して一緒に商品を盛り上げていこうという流れになりました。
---周年広告を企画・掲載した理由(可能であれば日経を選んだ理由も)教えて下さい。
まず新聞広告を選んだ大きな理由としては、商品のターゲット層と新聞読者層の親和性です。スナック菓子は幅広い層に受け入れられる商品ですが、特に50歳以上の方々にもう一度思いだしてもらい購買につなげたいという意図がありました。揚げずに煎る製法で年齢を重ねた人でも食べやすいようにするなどの工夫をし、ほかのスナック菓子との差別化を図っています。
また、取引先への訴求効果が期待できることが日経を選んだ理由です。小売店などの担当者で日経を読んでいる人が多くいらっしゃるので、当商品の周年を知っていただくことで、営業活動へのプラス効果があると考えました。過去に出稿したときにも、取引先から反響があり売り場を大きく作ることができたという実績もありました。
---広告制作・広告掲載までの間で、特に苦労したことはなんですか。
広告デザインはインパクトを重視しながらも、60周年と歴史をしっかりと感じてもらいたいという思いがあり、その2つを両立させるデザインになるようにこだわりました。 デザインでは「目に留まって、見てもらえること」を念頭に商品のイメージカラーである赤を基調にしたメインビジュアルを囲むように、過去の商品パッケージを年表風に配置。お客様が「自分が子どものころ食べたのはこれかな?」「こんなパッケージもあったね」といったような共感が生まれ、自分ごと化できるような仕掛けを考えました。
広告コピーも相当数の候補の中から議論し、「このえび、とーまれ!」に決まりました。このキャッチコピーには「やめられない、とまらない♪人生を楽しむためのお供として、これからも一緒に、お客様と一緒に歩んでいきたい」というメッセージを込めています。
---広告掲載後の反響に関してお聞かせください。
社内、社外ともに周年の認知が高まったと感じています。社長が取引先へのあいさつ回りの際に「新聞広告をみた」というお声をいただいたり、商談で話題になることも多かったと聞いています。社外でのセミナ―での登壇の際に、プレゼン資料でぜひ広告ビジュアルを紹介したいという話もありました。
驚いたのは、今回の広告を見たお客様から約70年前の「かっぱあられ」(※)の暖簾が寄贈されたことです。長い間、大事に保管していただいていたそうなのですが、広告のパッケージ写真を見てご連絡くださったんだそうです。改めて商品の長い歴史を感じる出来事でしたし、これからもお客様と一緒に歩んでいく姿勢を大事にしていきたいと思いました。
※かっぱえびせんのルーツである商品。「かっぱあられ」は1955年に発売された。
※取材にお答えいただいた方の所属・肩書などは取材当時のものです。