事例

大日本除虫菊
新聞への共感と皮肉 逆説的に表現

新聞
【掲載日】2021年7月 5日 【媒体】日経朝刊 【段数】全15段
新聞への共感と皮肉 逆説的に表現
  • 専務取締役 上山 久史 氏

一方通行の新聞広告。ぎょっとするメーンコピー。新聞批判の意見広告か?いや待て、下に「あこぎなことをしないから安心」とある。次は「反インターネット広告」論?最後に写真。うーん、商品広告だったか、やられた。そんな読者も多かったろう。社名ロゴ左に置いた「これからも新聞広告と共に」の一文も心憎いオチだ。

「オモロイものを作ろうやないか」。大日本除虫菊が7月5日付日本経済新聞朝刊に掲載した全面広告は上山久史専務の言葉で制作がスタート。逆説的表現で新聞広告への共感と皮肉を伝えた紙面は、上山氏が思わず「苦情はこないか?」と周囲に聞くほど〝エッジ〟の効いた仕上がりになった。

本来の目的は即効性や待ち伏せ撃退などゴキブリ退治の4機能それぞれに展開する商品ラインアップの宣伝だが、詳細は紙面最下部から誘導する自社サイトに。そこでは4商品を中国の四神に模した上山氏発案の図案を付けて効力を解説している。

新聞紙面は「つかみ」としてインパクトを重視。読者は翻弄されながらサイトに導かれる――。日本経済新聞紙面ビューアーの紙面滞在時間はネットでの2次発信を期待できる若年層で長く、今回の試みは次代の広告手法を考える一つのヒントになりそうだ。

日本経済新聞に掲載された広告の中から注目された紙面を紹介。反響や制作側の思い、表現の工夫などからその訴求力の源を考えます。

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