- SOMPOホールディングスグループCHRO 執行役専務 原 伸一 氏
パーパス(存在意義)を明確化しステークホルダーに背中を押してもらう企業が増えている。社員にパーパスを我が事として捉えてもらい、組織力を高める工夫も目立つ。SOMPOホールディングスもその1社。今年3月、日本経済新聞朝刊に広告を掲載し、企業姿勢の対外発信とグループ社員7万人への浸透を図った。
5週連続の連載形式。「SOMPO伝」と銘打って社員や役員を毎週一人ずつ実名で登場させ、原体験も交えながらそれぞれの「MYパーパス」(個人の志)を紹介した。「役職員一人ひとりがパーパス経営の主役」(原氏)と考える同社らしく、個人の志を起点に自社のパーパスを肩肘張らずに読み手に伝えている。墨絵師が描いた劇画風イラストや筆文字が志の実現に注ぐ熱量を巧みに視覚化している。
同社は新聞広告と連動して特設サイトにグループ22社100人の志を掲載し、すべてのステークホルダーに目指す未来を伝えた。グループ社員にとっては同僚や上司の使命感を知る貴重な機会となり、価値観を認め合い協働する機運が高まったという。パーパス浸透を狙った広告戦略は、ダイバーシティ&インクルージョンという経営戦略にもかなったようだ。
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